不動産のよくあるトラブルその3

不動産の取引では、金額が大きいためちょっとしたことがトラブルに発展することがあります。不動産の取引で、万が一トラブルになってしまった場合の対処法や、トラブルを未然に防ぐためにはどうしたらいいでしょうか。その1・その2で記載してる以外のトラブル対処法などをご説明します。

不動産の売却時のトラブル

  • 土地の地下埋設物に関するトラブル
  • 土地の境界線に関するトラブル
  • 口頭の約束と売買契約書の内容違いに関するトラブル

土地の地下埋設物に関するトラブル

土地を売却したいんだけど、その土地を買いたいという人から、地下埋設物はないかどうか聞かれたんだけど、どうやって調べたらいいかな。実際に掘ってみないといけない?

これから土地を売却するときに、地下埋設物が残っているままで売却した場合、買主とその後にトラブルとなることが多いワン。地下埋設物は、古い下水管、コンクリートなどのがれき、杭、遺跡、地下室、井戸などが考えられます。コンクリートがれきや、杭などは今までの建物を解体する時に解体業者がきちんと処理をしないでそのまま埋めてしまったりしてた可能性があるワン。

もし過去にその土地で建物を解体していた場合には、地下埋設物がある可能性があるかもしれないと、告知することが大切になるニャ。その土地に過去に工場とかがあった場合は、建物が大きかった分、柱とかが埋まってるかもしれない。工場の種類によっては土壌に化学物質が含まれているかもしれないとか、売主は事前に知ってることを告知しないといけないニャ。一般の人はなかなかそこまで考えるのは難しいかもしれないから、売主は仲介してもらう不動産会社に知ってることを全部伝えて、プロである不動産会社が考えられる可能性を告知してくれると一番いいかもしれないニャ。

地下埋設物は、更地の状態ではなかなか地下に埋設物があるということはわからないことが多く、売買契約後、建物を建てるために工事が始まってからわかるということがほとんどだと思います。

そういった場合に、地下埋設物の撤去費用を売主と買主のどちらが負担するかといったことが問題になってくるので、売主側としては、知ってる範囲のことは買主に告知することがとても大切になります。買主側からしたら、地下埋設物が出た場合、何も話を聞いていないし、売買契約書に記載もないとなり、契約不適合責任(瑕疵担保責任)として損害賠償とか、契約解除とかのトラブルとなってしまいます。

地下埋設物が出た場合の撤去費用の負担をどのようにするのか、売買契約によっては特約を定めてる場合もあります。そのような特約がない場合、原則として買主側が負担するのが多いです。

土地の境界線に関するトラブル

相続した土地と建物をそのまま売却しようと考えてるんだけど、古い土地なのでお隣との境界線とかはっきりしないんですよね。売却する場合はまずはどうしたらいいんでしょう。

お隣との境界線は境界標で示されています。通常半永久的に固定されるはずなんだけど、その場所で下水道工事があったりとかの事情で一時撤去したとか、破損したとかの可能性があるワン。土地と建物を売却したいということなら、境界標を復元したりすれば大丈夫だワン。そのためには測量してもらう必要があるワン。

ただ、その境界標復元の時に、境界に隣接してる家の人にも立ち会いをお願いして、来てもらうことになるニャ。古くからの土地だったら、以前に測量で測った図面と、現在の土地での誤差が出てくる可能性もあるし、新しく測量して正確な面積を確定するのがいいニャ。

境界標復元のための立ち合いが必要なのは?

  • 土地を売却するのに、面積を正確に確定する場合
  • 土地を分割するために分筆登記を申請する場合
  • 土地の境界線の正しい位置にブロック塀を設置する場合
  • 境界標が無くなってしまったり破損したため復元する場合

上記のような場合は隣接する土地の所有者の立ち合いが必要になってくることが多いです。土地を売却するには、正確な面積が確定していることが必要になるので、境界標が無くなっている場合は要注意です。

正確な土地の面積の測定をするには

土地の面積、高低差などを機械で測って、図面で表すのが測量で、測量の種類もその境界点の起点の場所によって変わってきます。今の測量技術では境界点を剤評点とした剤表面積計算法により、土地の面積が計算されて図面を作成します。この図面が不動産の売却のための大切な資料になります。

測量の方法は2つあって現状測量と確定測量があるんだニャ。この2つの違いは何かというと、測量の起点になる土地の境界をどう決めるかというところだニャ。

現状測量は、境界標とかフェンスなどの現場で確認できる境界とか、その所有者の指示をもとにした起点をもとに測るやり方ニャ。このやり方はお隣の所有者の同意とか立ち合いとかそういうのはナシで、所有者の依頼だけで作られるやつだニャ。

確定測量は、土地家屋調査士と、お隣の所有者の立ち合いもしてもらって、境界点の同意ありで測量するやり方だワン。このやり方だと、お隣の同意をもらってる境界で測られた測量図面ができるから、現状測量よりももっと正確で正式な測量図面だワン。お隣に同意ももらってるからトラブルも少ないことになるワン。

もし、隣との境界点が明確な場合は現状測量で土地家屋調査士が測量し、現状測量図面を作成することで売却のための資料にして、査定なども進むことができます。確定測量に比べて費用や時間がかからないので、スムーズに進めることができる方法です。確定測量と現状測量は測量の仕方は同じですが、起点の境界点の決め方が違います。確定測量は現状測量に比べて時間や費用は掛かりますが、正式な物とされて法務局に登記も可能な図面となります。
(法務局に登記する場合は筆界確認書を付けること)

口頭の約束と売買契約書の内容違いに関するトラブル

不動産の売却をしようと思って不動産会社にお願いしてるんだけど、最初の話と売買契約書の内容が違うと思うんですよね。

不動産会社の人の最初の話と、実際の売買契約書の内容が違うって困るワン。口頭で言われるだけのことは法的には何の効力もないから、不動産会社とか買主との話し合いとか相談なんかは書面でやり取りしておくことが大切だワン。契約書にサインしたりする前に、話をしたことと実際の内容とよく確認するワン。何か不安な点があるなら気にせず質問して、信頼できる不動産会社を選んでほしいワン。

後は、メモしてることも大事だニャ。担当の人と話してるときに大事なことはメモしてると、相手もしっかりしたことを伝えないと!となるニャ。

不動産のよくあるトラブルその2

不動産の取引では、金額が大きいためちょっとしたことがトラブルに発展することがあります。不動産の取引で、万が一トラブルになってしまった場合の対処法や、トラブルを未然に防ぐためにはどうしたらいいでしょうか。その1で記載してる以外のトラブル対処法などをご説明します。

不動産の売買に関するトラブル

  • 不動産会社との媒介契約(仲介)に関するトラブル
  • 不動産会社に関するトラブル
  • 重要事項説明等に関するトラブル

媒介契約(仲介)を打ち切ったのに費用の請求がきた

不動産を購入したいので、不動産会社と媒介契約(仲介)を結んでいましたが、気に入った物件が見つからなかったので、契約満了で契約を打ち切ったのですが、不動産会社から費用の請求をされました。契約を打ち切ったのに払わないといけないんでしょうか。

不動産会社に支払う仲介手数料は成功報酬なので、この場合は気に入った物件が見つからずに契約満了時に契約を打ち切っているので、支払う必要はないニャン。

ただし、遠い土地への出張費や必要だとみなされる広告費などの「特別費用」は不動産会社から依頼主へ請求が認められているものなので、それ以外については請求されても支払う必要はないワン。ただし、その「特別費用」も依頼主が必要と認めた場合だけなので、事前に依頼主が認めていない請求や、全然関係ない費用を「特別費用」と請求してくるような不動産会社は要注意だワン。

次の場合は仲介手数料がかかります

不動産会社と媒介契約を結びました。不動産購入の売買契約を結んだあとになって、もっといい物件を見つけたので、契約解除のために手付金を放棄して解除したところ、仲介手数料の請求をされました。契約解除したのに仲介手数料を払わないといけないですか。

この場合だと、契約後に手付金を放棄して契約解除をしてるとは言え、不動産購入の売買契約を結んでいるので、不動産会社は依頼主に仲介手数料を請求できることになるワン。

せっかく気に入った物件を見つけたところなのですが、売買契約を結ぶ時にはもう一度よく考えてから契約することをお勧めするニャン。

不動産会社に関するトラブル

不動産会社が倒産しました

家族みんなが気に入った物件を見つけたので、不動産会社と売買契約を結び、手付金を払って引渡しを待っていたのですが、その不動産会社が倒産してしまいました。どうしたらいいでしょうか。手付金は戻ってくるのでしょうか。

宅地建物取引業法によって、不動産会社が手付金を預かる時には「手付金等の保全措置」を取ることが義務付けられてるんだニャ。手付金等の保全措置が取られていた場合は、引渡し前に不動産会社が倒産してしまった場合でも、手付金は保証会社や保険会社の保険によって手付金は保全されるので、保証会社などから返還されるから大丈夫ニャ。

ただし、注意も必要だワン。売主が不動産会社の物件を契約する時には、手付金が保全措置の対象額か、手付金が保全されているかを確認が大事だワン。保全されてる場合は、保証証書とか保険証券が交付されてるので、きちんと受け取るワン。手付金などの金額によっては保全措置が取られない場合もあるワン。

保全措置が必要な手付金等の金額

  • 未完成物件の場合
    手付金等の額が、売買代金の5%を超えるまたは1000万円を超える場合
  • 完成物件の場合
    手付金等の額が、売買代金の10%または1000万円を超える場合

手付金等の額が、この2つの金額以下の場合には、保全措置の義務がないので要注意です。

重要事項説明等に関してのトラブル

重要事項説明等がきちんとされていない

中古マンションを購入しました。何の問題もなく売買契約も済んで、引渡しも完了し引っ越ししましたが、住み始めてからこの部屋が事故物件だと知りました。不動産会社からは一切そんな話を聞いていません。事故物件だと知っていたら買いませんでした。今後どのような対応ができますか。

不動産の売買では、契約までに買主に対して重要事項の説明をしなければいけません。この場合は過去に事故があった物件だったということで、重要事項の告知として売主は買主に事故物件だったことを伝えないといけないのですが、そのような情報を買主側に伝えると契約がしてもらえないということで、伝えられないことがあります。

重要事項の利益になることだけを告げていて、かつ重要事項について不利益事実だけ故意に告知しなかった場合には、契約の取消などの大きなトラブルとなるワン。

重要事項説明は、売買契約の締結前にされるのがほとんどだニャ。大事なことだからよく聞いておくニャ。

不動産の売買では「重要事項説明」と「売買契約締結」は宅地建物取引業法で書面交付が義務付けられているものニャ。後は不動産会社に仲介頼む場合の「媒介契約締結」と、不動産の賃貸契約の場合の「重要事項説明」と「賃貸借契約締結」も書面交付が義務付けられてるニャ。でも今後は情報化時代だから変わっていくかもしれないニャ。

事故物件などの場合は、告知の時効などは特にないので重要事項説明の時に告知が必要となります。告知しないで後からトラブルになると大変です。

重要事項説明の項目一覧

宅地建物取引業法では、宅地建物取引主任者に重要事項説明等の説明を義務付けています。

  • 物件に関する権利関係の明示
  • 物件に関する権利制限内容の明示
  • 物件の属性の明示
  • 取引条件(契約上の権利義務関係)の明示
  • 取引にあたって宅地建物取引業者が講じる措置
  • 区分所有建物の場合はさらに次の事項
    ・敷地に関する権利の種類及び内容
    ・共有部分に関する規約等の定め
    ・専有部分の用途その他の利用の制限に関する規約等の定め
    ・専用使用権に関する規約等の定め
    ・所有者が負担すべき費用を特定の者にのみ減免する旨の規約等の定め
    ・修繕積立金等に関する規約等の定め
    ・通常の管理費用の額
    ・マンション管理の委託先
    ・建物の維持修繕の実施状況の記録

※区分所有建物とは分譲マンションなどのこと

重要事項説明をめぐるトラブル事例

建ぺい率・容積率の制限に関する買主と売主業者の認識の食い違いでトラブルになった事例

土地の売買で、売主業者がその土地の建ぺい率と容積率を単に告げただけだったため、買主がその意味を理解できないまま契約して、のちに当初予定していた住宅の建築が困難なことを知り契約解除を売主業者に申し入れたが、売主業者は重要事項説明を果たしていることを理由に契約解除に応じなかったため、紛争に発展した。

この場合、プロである業者がもっとその土地の建ぺい率と容積率について説明をして、どのような家を建てる予定なのかとかを話ておけばこんなトラブルには発展しなかったんじゃないかと思うワン。

売主側も丁寧な説明を、買主側もわからないことはすべて質問するのが大事だニャ。

不動産のよくあるトラブル

不動産の取引では、金額が大きいためちょっとしたことがトラブルに発展することがあります。不動産の取引で、万が一トラブルになってしまった場合の対処法や、トラブルを未然に防ぐためにはどうしたらいいでしょうか。

家を買ったり売ったりするのは、金額が大きいから、トラブルが発生したらいろいろと大変そうだよね。未然に防げるなら防ぎたいけど、どんなことがトラブルになることが多いんだろう?

家を売ったり買ったりする時にトラブルになりやすいものとしては、「契約の解除に関すること」「不動産仲介会社の仲介手数料に関して」「建物の瑕疵に関してのトラブル」「建物の環境に関してのトラブル」「設備に関してのトラブル」「土地の境界に関してのトラブル」などがあるワン。

不動産の売買に関するトラブル

  • 契約の解除に関するトラブル
  • 不動産仲介会社の仲介手数料に関するトラブル
  • 建物の不具合に関するトラブル
  • 設備に関するトラブル

契約の解除に関するトラブル

住宅ローンの審査に通らなかった

とても気に入った物件を見つけ、他にも見学の予約が入ってるから、すぐ買手が付くかもしれないと聞き、勢いで売買契約を結びました。住宅ローンの審査が通らなかったのですが、どうしたらいいでしょうか?

通常は住宅ローンの事前審査を受けてから、売買契約を締結しますが、住宅ローンの審査が通っていない段階での売買契約をする場合、ローン特約(ローンが通らなかった場合には売買契約がなかったことになる特約)を付けてるはずなので、売買契約を無条件で解除できます。手付金も返還されるワン。

ですが、ローン特約の借り入れ予定の金融機関・支店名・金利などの条件を明確にしておくことが大事になってきます。このようなローン特約適用の条件が不明確だと解除をめぐってトラブルとなるリスクが考えられるので、住宅ローンで住宅を購入する場合、契約書にローン特約の契約条項とローン特約の内容が具体的に記載されているかを確認することが大切ニャ。

家を買うとき、ほとんどが住宅ローンを利用して購入することが多いです。住宅ローンを組むのに事前審査を受けることをしないで、不動産の売買契約を結んだところ、ローンの審査に落ちてしまい支払いができないなどで不動産会社とトラブルになることがあります。

不動産会社を通さないで取引したり、よくない不動産会社に仲介を依頼してしまった場合、特約が付いていない、内容が不十分だったりと、トラブルになることがあるので、住宅ローンの事前審査を受けるか、ローン特約がきちんとついているか、特約の内容も具体的に記載されているかの確認が必要です。

不動産仲介会社の仲介手数料に関するトラブル

仲介手数料は法律で決まってると言われました

不動産会社に不動産売買の仲介をお願いしました。気にった物件が見つかったので売買契約をしようとしたのですが、その不動産会社に仲介手数料は法律で決まっていると言われました。

不動産会社に支払う仲介手数料は、宅地建物取引業法で上限が定められています。不動産の売買での仲介手数料の王減額は、売買価格が400万円以上の契約の場合、「売買価格×3%+6万円+消費税」が上限となるニャ。

不動産会社によって仲介手数料の金額は違いますが、宅地建物取引業法で上限が決まっているので、法律で決まっているというのは間違いだワン。

不動産会社に不動産売買の仲介をしてもらう場合には、仲介手数料が発生します。不動産会社と仲介契約をする時に、仲介手数料の支払い時期、計算方法を決めるのですが、中には仲介手数料についての説明をきちんとしない不動産会社もあります。

あくまでも仲介手数料の金額は、売買価格が400万円以上の契約の場合、「売買価格×3%+6万円+消費税」が上限となります。仲介手数料の金額は法律で決まっていますと金額を決めてしまう不動産会社とは取引はしない方がいいでしょう。

建物の不具合に関するトラブル

中古住宅を購入したらシロアリが発生していた

気に入った中古物件を購入しました。物件を引渡し後に実際に住んでみたら、シロアリがいました。どのように対処したらいいでしょうか

まずは売買契約書を確認しましょう。契約不適合責任と言って、売買契約書に記載されていない不適合の場合、買主は売主に対して補修や補完を求めることができるワン。

契約不適合責任は不適合な事実を知ってから1年以内に売主に通知が必要です。売主によっては、売買契約書に契約不適合責任の期間を短縮して記載している場合もあるので、確認が必要ニャ。

買主は売主に追完請求(補修請求)>代金減額請求>損害賠償請求>無催告解除>催告解除の請求ができます。売主が追完請求(補修請求)に応じない場合、代金減額請求、損害賠償請求などと請求できるようになります。

中古物件の場合、売買契約書に「付帯設備の故障・不具合については、補修・損害賠償その他一切の責任を負わない」などの記載がある場合、売主に契約不適合責任での補修や補完を求めることはできません。買主に口頭でシロアリが発生している旨を伝えていた場合でも、売買契約書にその旨の記載がなかった場合は契約不適合責任が発生するので、注意が必要です。

設備に関するトラブル

あると思っていたエアコンがない

中古で一戸建てを購入しました。リビングにエアコンが付いているとのことだったのですが、引渡し後に確認したらエアコンは撤去されていてありませんでした。エアコンをつけてもらうことは可能でしょうか。

売買契約を締結する時には、一般的に「付帯設備及び物件状況確認書」という書面を作成して、エアコンなどの付帯設備の引渡しの条件を売主と買主で確認しますが、その時に付帯設備として確認された設備であれば、不動産と一緒に売買の対象となるので、設備を付けてもらえるように売主に請求が出来るワン。

このようなトラブルを防ぐためには、事前に「付帯設備及び物件状況確認書」で確認することが必要だニャン。

設備の故障や不具合に関しては、トラブルが非常に多いものなので、売主は不具合のある箇所を「付帯設備及び物件状況確認書」に記載して買主に渡すことが大切です。鍵などの本数も違っている場合はトラブルの原因となるので注意が必要です。

環境面でも近くに日照や展望を阻害する高層マンションの建築計画や、危険を感じさせるような暴力団の事務所や危険物の貯蔵所が近隣にあるなどといった場合も、契約不適合責任となる場合が出てくるので、建物や設備以外でも売買契約書に記載することが大切です。

空き家特別措置法とは

今、誰も住んでいない空き家が年々増加していることで問題になっていて、それを何とかしようということで、制定されたのが「空き家特別措置法」だワン。

空き家に対しての法律があるんだね~。法律が制定される前はどうやってやってたの?

空き家特別措置法が制定されるまでは、管理がされてない空き家が防災面、衛生面、住宅地の景観など地域の住民の生活環境に大きく関わっていて、それぞれの自治体が空き家条例を制定してたんだけど、法的な効力もないから最終判断は空き家の所有者になってなかなか改善しなかったんだワン。ちなみに、空き家は平成25年で全国でだいたい820万戸あって、401もの自治体(平成26年10月)が空き家条例を制定してたワン。

空き家特別措置法の定義

  • 「空き家等」とは
    建築物またはこれに付属する工作物で、居住やその他の使用がなされていないことが常態であるものおよびその敷地(立木その他の土地に定着するものを含む。)をいう。
  • 「特定空き家等」とは
    (1)倒壊など著しく保安上危険となる恐れのある状態
    (2)著しく衛生上有害となる恐れのある状態
    (3)適切な管理が行われないことにより著しく景観を損なっている状態
    (4)その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態
    にある空き家等をいう。

「空き家等」の、居住やその他の使用がなされていないとされる基準

  • 人の日常生活が営まれていないもしくは営業していない建物
  • 概ね1年間を通じて電気・ガス・水道の使用実績がない

これさ、1年間の間に1回とか空気を通すために来てるとかの場合はどうなるんだろう?使用してるに入らないのかな?

その場合の使用しているは、住んでいるというより「管理」しているということになるから、使用がなされているとは認められないワン。

「空き家等」とされるとどうなるか

空き家特別措置法の制定前は、空き家であっても勝手に立ち入ることができませんでしたが、空き家特別措置法の制定で、管理がされていない空き家の場合、自治体が敷地内へ立ち入り調査のために入ったり、所有者の確認をするために固定資産税台帳や住民票、戸籍などの個人情報を利用できるようになりました。そのため、管理されていない空き家には、自治体により立ち入り調査が入り現地調査が行われ、所有者に助言<指導<勧告<命令などが伝えられることとなります。

行政指導
1.助言
行政からの適正管理を求める連絡の中でも一番優しいものです。
行政からの連絡は主に郵送ですが、所有者から行政への連絡がない、
管理状況の改善が見られないなどの場合、行政の職員が直接訪問することもあります。
助言には法的な効力はないので、対応するかは所有者の判断になります。
行政指導
2.指導
所有者が助言に従わない場合、すぐに改善が必要などの場合には所有者に指導が入ることがあります。
指導は助言よりも重いもので、空き家に関して強く適正な管理を求められているものということになります。
行政指導
3.勧告
所有者が指導に従わない場合は、近隣住民に大きな被害をもたらす可能性があるというような場合が多く、
早急な対応が必要になります。
※特定空き家に指定された後に改善の勧告をされると固定資産税の優遇措置が適用されなくなります。
行政処分
4.命令
所有者が勧告にも対処しない場合は、所有者に対して改善の命令をします。
命令は行政処分となり、行政指導よりも重いものです。命令に従わない場合は50万円以下の罰金が科されます。
命令を受けても改善が見られない場合は、行政が所有者に変わって対処する「行政代執行」となる可能性もあります。

「特定空き家等」に指定される建物

  • 傾いていたり、破損や劣化が激しく倒壊などの危険性がある建物
  • ゴミや腐った木材、手入れがされていない雑草、虫などの繁殖など衛生的に問題がある建物
  • 落書きや劣化した外観、雑草などで周辺の景観を損なうような建物
  • 不審者が出入りしていたり、犯罪に使われるなどの近隣住民に悪影響を及ぼすような建物

「特定空き家等」とされるとどうなるか

倒壊の恐れがあるような危険な建物、空き家にしてあることでゴミなどが捨てられ、害獣などが発生していて衛生上有害となるような恐れがある、適切な管理していないために雑草が道路まではみ出して通行の妨害になっていたりする建物は「特定空き家等」に指定されます。

「特定空き家等」に指定された場合でも、基本的には指導<勧告<命令<行政代執行の措置となります。「特定空き家等」に指定されてから、改善の勧告を受けると、土地の固定資産税の住宅用地特例が適用されなくなり、固定資産税が6倍になる可能性もあります。

指導や勧告を受けても所有者が応じない場合は、その勧告に係る措置を行政は命令しますが、その命令にも従わなかった場合には、行政が強制的に撤去し、かかった費用を所有者に請求できる「行政代執行」も可能になるので、空き家の所有者はその前に空き家の管理を適切にする必要があります。

特定空き家に指定されてしまった場合、原因となっている状態を改善すると特定空き家から解除されます。

空き家の対処法

もし自分が空き家の所有者になった場合、空き家を修繕して住むのであれば問題はありませんが、空き家のまま所有する場合は、適切に管理をするか、売却するか、更地にするかなどを考える必要があります。

空き家を放置しておくと、管理が大変なだけじゃなくていろんな問題が起こる可能性も出てくるんだね。空き家で住んでないとしても、自分が所有してる建物で犯罪なんかがあってもいやだし、倒壊して何かあっても困るから、もし自分が空き家の所有者になった場合はその空き家をどうするかを真剣に考えないといけないね。

前にも話したことあるけど、そんな場合こそ土地活用とか建物の再利用を考えてみるといいワン。わからない場合は不動産屋さんに相談してみるのもいいと思うワン。

そうだね!じゃ、いつものアイセー不動産に相談してみよう。

用語の説明

建築基準法・住宅用語の用語説明

あ行

アプローチアプローチとは、道路から玄関までの通路とその周辺のことです。
一戸建ての場合は、門から玄関までの通路のことで、道路と敷地に高低差がある場合は
階段やスロープ状になっていることもあります。
IHクッキングヒーター電磁誘導加熱器で、(Induction Heater)の頭文字を取ったもの。
IHクッキングヒーターは天板の下に磁力発生用コイルを敷いているもので、
天板の上に鉄製の鍋などを置いて電気抵抗によって鍋底が加熱されて使用する。電磁誘導によって加熱するので、
アルミ鍋や銅鍋、土鍋などは使用できません。フラットな天板なので掃除がしやすい作りになっています。
アイランドキッチンアイランドキッチン・アイランド型キッチンなどと呼ばれます。キッチンのレイアウトのうちのひとつで、
壁に接っすることがなく設置された調理台で、それが島のようになるためにアイランドと呼ばれます。
アイランドキッチンは、対面型のキッチンなのでコミュニケーション性に優れていますが、
リフォームでアイランドキッチンにしようとする場合は、設置のために部屋の広さや、給排水管、
ガス管などの配置、勾配に注意が必要。
類似の調理台の形式で、ペニンシュラキッチンがあります。
アウトドアリビングアウトドアリビングとは、家の屋外にあるテラスや中庭などを、室内のリビングと同じように使えるようにしたスペースのことで、ウッドデッキやタイルばりなどにしたり、テーブルを置いてテラスで食事やお茶をしたり、子供が遊べるようにしたり、くつろげるようにしたスペースです。屋根があれば急な雨などでも濡れるようなことはありませんが、なければオーニングテントを備え付けると必要な時に広げ、不要な時は巻き取れるので便利です。アウトドアリビングは文字通り外にあるものなので、風雨にさらされることで、メンテナンスや虫などへの対策なども必要になってきます。
アウトフレーム工法マンションの住戸を支える構法の柱や梁を住戸の外側に出す工法のこと。室内に柱や梁の出っ張りがなくなるので、部屋を有効に使うことができる。
アクアリウムアクアリウムとは、金魚や熱帯魚などの魚や水生動物を人工的に飼育する水槽のことを言います。人工池なども含まれます。一般的にはガラスの水槽に砂や小石などをしいて水中を再現しています。小さいものから大きいものまで楽しむことができ、インテリアとしても人気です。ガラス容器などでコケなどを育てて楽しむことができるものは「テラリウム」と言います。
アース電気機器と地面を銅線などでつないで電荷を地中に逃がすことにより落雷などの過電流の電気機器への流出を防いだり、感電の危険性を阻止したりすること。大型家電などはアースを取り付けることが推奨されています。
空き家・空き地バンク近年増え続けている空き家と空き地の物件情報が登録されていて、検索できるシステム。空き家・空き地バンクは不動産の有効活用などの促進のために運用されているが、課題がまだ多数あるなどで問題解決までに至っていない。
アーチレンガ造りや石積みなどで、円弧状に作られる梁のこと。両側の柱や壁の上からレンガや石材を曲線状に積み上げ、住宅では門や出入り口などに用いられます。
アール曲線や曲面の総称。バルコニーや天井、リビングや柱の上部などを緩やかな曲線状にすることで空間に柔らかさを演出したり、キッチン、ダイニングルームなどの境にある下がり壁をアールにデザインすることで緩やかなゾーン分けを作れるなどがある。
RCRCとは、Reinforced Concreteの頭文字をとったもので、鉄筋コンクリート構造の意味です。
コンクリートを鉄筋で補強して、引っ張る力に強い鉄筋と圧縮に強いコンクリートを一体化させているので、
自身に対する安全性がとても高い構造です。また、鉄筋をコンクリートで覆っているので、火災の熱からも守られることにより、耐火構造をつくることができる。混同されやすい物として鉄筋鉄骨コンクリート造(SRC)がある。
I型配列
キッチンの天板のレイアウトのひとつで、シンクやコンロ、調理スペースや冷蔵庫などを
一列に並べたシンプルな配置方法のことです。特にスペースが狭いキッチンの場合でもおくことができます。
IP電話インターネットをベースとしている音声電話サービスのことで、固定電話に比べると基本料金が安く
通話料も全国一律で安いです。IP電話を使用するためには利用者がIP電話を提供している光ファイバーやADSL、CATVなどの高速情報通信サービスに加入が必要になります。このサービスには月額使用料がかかります。
青地青地は「あおち」と読みます。青地とは公図で青く塗られた部分のことです。国有地である河川や水路を示しています。青道「あおみち」とも言います。青地以外には赤地「あかち」、白地「しろち」もあります。
赤地赤地は「あかち」と読みます。赤地とは公図で赤く塗られている部分のことです。国有地の道路を示しています。
アールデコ1920~30年代にかけてヨーロッパやアメリカで流行したデザインです。
アールヌーボー19世紀まつから20世紀の初めにかけてヨーロッパ各地で広がっていったデザイン様式です。
特徴は植物の花や波などを連想させるような曲線模様が多く施されています。
生け垣隣家との敷地の境界や道路との境界などに樹木を並べたもの。樹木の種類によって高さも変わり、塀よりも柔らかい印象になる。樹木なので、枝が伸びたりして隣家や道路のはみ出さないように継続的に刈り込みや剪定などの手入れが必要になる。
一級建築士建築士の資格で、建築物の設計・工事管理などの業務を行えるもの。建築士法に基づき、一級建築士試験に合格し国土交通大臣から免許を受けるもの。二級建築士・木造建築士は設計・工事管理を行える建築物に制限があるが、一級建築士は全ての建築物について設計・工事管理を行うことができる。
移転登記
         
移転登記とは所有権や抵当権などの権利を持った人から、他の人のその権利が移転することによりされる登記のことです。移転となるような場合とは、相続や贈与、売買などがあります。
委任状委任状とは、自分意外の人物に一定の事項を委任するという意思を記載した書面のことです。自分が出来ない場合に自分の代わりに第三者に代わりに行ってもらうということで、便利な反面、リスクも持ち合わせているので注意も必要です。委任状は効力が有効な期間などの法令で決められた有効期限はありません。ですがトラブルを避けるため委任状の有効期限は作成日から3ヶ月以内としている所が多いです。不動産の関しての委任状の場合は、契約の当事者が遠方にいる場合などの時に委任状で委任してあると、委任を受けた人がか割りに契約をすることができます。
居抜き居抜きとは店舗などを設備や什器など建物の内部設備を設置したままで売買したり賃貸借されることです。飲食店や店舗、旅館や工場などで居抜きの物件が多いようです。居抜きでの購入や賃貸下物件で飲食店や店舗などを営業する場合、設備を新しく設置する手間が省けたり初期費用が抑えられるなど、最初から全部用意するより早く営業を開始できるメリットがあります。
違約金不動産の売買契約の場合では、契約に定めた事項に債務不履行した場合、債務不履行した者が相手に対して支払う金銭のことを違約金と言います。民法上では違約金は「損害賠償の予定」とみなされているのでよく似た概念になっていますが、違約金は実際に損害が発生しない場合でも支払いの義務が生じるということで損害賠償の予定とは大きく変わります。民法では違約金の言葉の意味について売買契約書でその意味が明記されていない場合、違約金は「損害賠償の予定」の意味であると推定されると定められています。売買契約書で違約金を定める場合、本来の意味での違約金を定める場合はその意味を明記しておくことが良いでしょう。宅地建物取引業法では売主が宅地建物取引業者で買主が個人の場合、違約金は総額の2割を超えてはいけないと定められています。
印鑑証明印鑑があらかじめ登録されたものと同一のものとの市区町村で公的に証明した書面のことを印鑑証明と言います。印鑑登録を行った印鑑は実印と呼ばれ、登録されていない認印とは別のものです。一般個人の印鑑がは市区町村に届け出て、法人の代表者の印鑑は法務局に届け出て証明を受けます。印鑑証明の有効期間は一般的に3ヶ月とされていることが多いです。市区町村などから印鑑証明を発行してもらった書面が印鑑証明書です。
インテリアインテリアとは建物の内部空間の全体を指す言葉で、室内の天井や床、壁などの内装材、家具や調度品などの全てをさしています。家具と調度品をインテリアと呼ぶことが一般的には多いようです。
インテリア
コーディネーター
家具や住宅の設備などのインテリアを住む人にとって快適な住空間となるように提案を行う専門家のことです。照明器具や家具、カーテンや住宅設備など広範囲のインテリア商品を住む人の家族構成や要望など、相談しながら空間デザインや快適性、それぞれの設備の性能などを考えてアドバイスしたりします。インテリアコーディネーターの資格は公益社団法人インテリア産業協会が実施しているインテリアコーディネーター資格試験により認定される資格です。
ウォークイン
クローゼット
人が歩いて入れる洋風の収納部屋。人が入れない場合はクローゼット(クロゼット)と呼ばれます。
ウォークインクローゼットにする場合はある程度の広さを使用するので、押入れをリフォームして
ウォークインクローゼットにするような場合は狭すぎるなどの問題が出やすい。
ウォール型キッチンキッチンの天板、ワークトップを壁にそって設置するレイアウトのキッチンをウォール型キッチンといいます。壁面にキッチンを設置していることによりカウンターの上部と下部にも収納スペースをたくさん確保することができるようになります。建物の外壁に接している場合には近くに窓を配置することで換気がよくなり、採光も良くなります。
内金内金とは、売買契約が成立した後に売買代金や請負報酬などの一部として買主から売主へ支払われるものをいいます。内入れ金ともいいます。手付金が売買契約の成立の際に支払われるもので、内金は契約成立後に支払われるものという違いがあります。手付金には解約手付による契約の解除などの法律的な効果がありますが、内金には法律的効果はありません。
ウォールキャビネットウォールキャビネットとは、壁面に設けたり天井から吊り下げたりして設ける戸棚のことです。キッチンや洗面所などの収納キャビネットや、リビングなどの部屋の壁面に設置するものがあり、リビングではテレビやオーディオなどを収めることができるような壁全面に取り付けたオープンタイプのものもある。
埋立地埋立地とは、川や海、湖などに土砂などで埋め立てて人口的に造成した土地のことを言います。埋め立てに使われるのは浚渫工事で取り除いた土砂や建設残土が使用される他、都市ゴミなどを埋め立てて土地を造成します。埋立地は広い土地が確保できることもあり、大規模開発によるまちづくりが可能となりますが、元は川や海などから造られた埋立地という性質上、地盤が弱く液状化のリスクがとても高い土地なので、地盤改良や耐震性の高い建築物を建てるなどの対策が必要となります。埋立地については古地図でいつ造られたものか年代がわかるので、地盤の強度など確認が必要となります。
売建住宅不動産開発業者が宅地を分譲した後に、購入者と建築を請け負う業者が契約を結んで一戸建てを建設して引き渡す方法のことで、不動産開発業者があらかじめ住宅を建ててそれを購入する建売住宅とは違い、売ってから着工することになる。建売よりも設計などの自由度は高くなるが、あらかじめその土地に合わせて図面は作られていたり、建築を請け負う業者も決められていて、用意された建物の設計モデルから選択することが多い。
上物上物とはうわものと読みます。土地の上にある建物のことを指している用語で、不動産広告などで売り地、上物ありなどと記載されているような場合は、土地の上に家屋がありますという意味になります。上物の利用価値に関しては撤去する・まだ使用するの選択は所有者の判断次第となります。上物が老朽化などで価値が非常に低いような場合、不動産広告では「古家あり」または「廃屋あり」と明示するように不動産の表示に関する公正競争規約で記されています。
エクステリア建物の外回りに設置される工作物などの全般を指しています。
建物の外側に使われる資材や外壁などのことも含まれていることもあります。
オール電化システム住宅の冷暖房や給湯などの住宅内の熱源にガスを使わずに電気を使って賄うシステムのこと。給湯には電気給湯器を使い、コンロはIHヒーターなどを利用します。加熱するのに火を使わないため、火災の危険性が低く、室内の空気も汚れにくく清浄に保つことができる。

か行

外構外構とは、建物の外に設ける工作物のことで、門や塀、アプローチ、車庫、庭木や垣根などのことを言います。エクステリアとも言います。外構は一戸建てやマンションなどで建築物の顔となる部分で、周りから見えないように塀で囲んだものや、囲いを設けないようなオープン外構や、フェンスや垣根などで囲むものなどがあります。敷地の境界を形づくり、建物の外壁などと敷地の景観や雰囲気を作流ものです。
外壁材建物の外側の壁の素材や建材のことで、紫外線や雨、風などから建物を守るものです。建物の外側部分のものなので、建物の外観は外壁材の色や素材などに影響されることが大きいです。外壁材の種類は主にサイディング、れんが、タイル、ALC、。モルタルなどがあり、サイディングはボードになっている外壁材で、釜業系や金属系、木質系などがあります。
解約解約とは法律行為のひとつで売買などの契約関係を、契約当事者の一方の意思表示により消滅させることを解約と言います。解約の意思表示の時から将来に向けて契約消滅の効果が生じることになります。
解約手付解約手付とは一度締結した契約を、手付の放棄(または手付けの倍額)により契約した後に任意に契約を解除できるという手付のことです。通常は契約を解除するためには解除の理由が必要なところ、売買契約成立時などに手付を交付することで、買主は手付を放棄すること(手付流しという)でいつでも契約を解除することができて、手付相当額以外の損害賠償を支払わなくてもいいというもので、売主も手付の倍額を買主に返還すること(手付倍返しという)で、契約をいつでも解除できて手付相当額以外の損害賠償を支払わなくてもいいというもののこと。
瑕疵瑕疵は「かし」と読みます。取引された土地や建物に本来なら備わっているはずの性能が備わっていないなど、品質設備故障や造成不良などの何かしらの不具合、欠陥があることをいいます。瑕疵には法律的な欠陥も含まれていて、一般的な注意では見つけられないようなものの場合、瑕疵担保責任の問題となります。
瑕疵担保責任
       
「瑕疵担保責任」は、「かしたんぽせきにん」と読みます。瑕疵担保責任とは、売買契約や請負契約を実際に行うなかで、売買の目的物に通常では見つからないような欠陥があったなど、品質または種類に関して契約の内容に適合しない場合、売主が買主に対して負う責任のことです。瑕疵担保責任は、2020年4月1日に施行された民法改正で「契約不適合責任」と変更になっています。それに伴い、内容にも変更点があります。今までの「瑕疵担保責任」と、新たな「契約不適合責任」との大まかな違いは、買主側から売主側への請求できる範囲が今までよりも広くなったことです。他にも契約解除の要件が緩和されるなど買主側の救済手段が増えています。
火災警報装置・火災警報器火災警報装置・火災警報器とは、火災が発生した際に火災によって発生した煙や熱を感知して警報音などで火災の発生を知らせる装置や機器のことです。天井に設置されています。消防法により新築住宅には住宅用火災警報装置の設置が義務付けられています。建築基準法により建物の完成後に行う完了検査の手続きの時に住宅用家屋証明書火災警報器の設置図面などが必要になりました。新築住宅以外の住宅にも条例によって火災警報装置の設置が義務化されています。
課税証明書課税証明書は、市区町村が発行する書類で、所得や住民税の課税額を証明するための書類です。銀行で住宅ローンなどのローンを組む時や、公的年金の受給請求、児童手当の申請の時や保育園の入園式手続きなどにこの証明書の提出が必要になることがあります。課税証明書はその年の1月1日時点での住所を置いていていた自治体で発行されます。引っ越しして市区町村が変わっていた場合は1月1日時点の住所の自治体で発行してもらうことになります。課税証明書は郵送で申請することもできます。
角地角地とは交差している2つの道路の角にある区画の土地のことです。角地はその面している道路の幅員や立地などによっても変わりますが、風通しがよく開放感があり採光に優れているなど環境面でもよく、建ぺい率が緩和されている場合があります。他にも角地は道路に面している場所が多いため人目につきやすいことから、空き巣や不法侵入などの犯罪の被害に遭いにくいとも言われています。そういったことから角地は価格が高くなる傾向があります。
カーポート住宅などで車を駐車するスペースのことをカースペースといいます。カースーペースは柱や屋根、壁などがないタイプのことを呼ぶことが多く、壁に囲まれずに屋根と簡単な柱があるタイプはカーポート、屋根と壁、床などで囲まれたタイプをガレージなどと呼びます。
居室居室とは、居住、執務、作業、集会、娯楽その他これらに類する目的のために継続的にしようする室をいうと建築基準法の2条4号により規定されています。わかりやすく表現すると、住宅のリビングや寝室、書斎や子供部屋などが居室となります。住宅以外では、学校や病院などの教室や病室なども居室です。居室として扱わないのは納戸やトイレ。浴室、倉庫、玄関、押入れ、脱衣所などです。
契約不適合責任瑕疵担保責任では、売買の目的物に隠れた瑕疵があった場合に買主は売主に対して損害賠償や契約解除を求めることができるというものでしたが、補修してもらったり、代金の減額などはすることができませんでした。新築物件が目的物だった場合は、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」が適用されて、瑕疵部分の補修請求だけが可能となっていて、その瑕疵によって契約した目的を達成できない場合にだけ、買主は契約解除を認められていました。
改正後の契約不適合責任では、売買の目的物が「契約の内容に適合しない」場合、買主が売主に対して補修、代替物請求などといった追完請求が出来るようになりました。瑕疵担保責任が「隠れた瑕疵」に対しての責任を負うものだったのに対し、契約不適合責任では、「契約の内容に適合していない場合」となり範囲が広くなります。
建ぺい率建ぺい率とは、土地の面積のうち、建物用に使えるのはどれくらいかという割合をいいます。
建築面積の敷地面積に対する割合のことで、同じ敷地内に複数の建築物がある場合は、
その建築面積の合計になります。建築面積とは、外壁や柱の中心線で囲まれた部分の面積のことです。
この割合が大きければ大きいほど建物用に使える面積が大きくなります。
建ぺい率は建物を真上から見た時の面積なので、2階建て以上の場合は面積が1番広い階で計算します。
建物の建築面積÷敷地面積で算出します。建ぺい率はそれぞれの用途地域ごとで指定されているので、
住宅地では建ぺい率は100%になることはほとんどありません。
住宅地と違い、住環境をそこまで気にしなくてもいい用途地域の場合だと、
建ぺい率が100%の場所もあります。
建築基準法
22条指定区域
防火地域と準防火地域外の市街地で、火災の危険を防除するために特定の行政庁に定められた地域のことを言います。
法22条指定区域では、木造は建てることができますが、屋根を不燃素材でふき、外壁の延焼の恐れのある部分は準防火構造にします。

さ行

災害危険区域災害危険区域とは津波や高潮など自然災害の危険性が高い地域として地方公共団体により条例で指定された区域のことです。その区域内では災害防止のため建物の建築に関しての制限などがあります。
再建築不可物件建物を解体して新しく建て替えることや、増改築ができない物件のことをいいます。再建築不可物件はほとんどが接道義務を満たしていない土地に立っています。この再建築不可物件を販売する場合には、不動産広告、重要事項説明書に再建築不可の旨を記載しなければならないことになっています。
採光採光とは、建物の室内環境を調整するために外からの自然光を取り入れる事で、窓などの開口部を通して室内に取り入れられています。建築基準法では住宅の居室には採光のために窓などの開口部を設けることが決められています。この採光のための開口部の面積も居室の床面積の大きさにより決められていて、居室の床面積の1/7以上となっています。住宅以外の居室の場合は1/5から1/10までの間で政令で定める割合以上にしなければならないと決められています。
再生可能エネルギー再生可能エネルギーとは、石油などの限りがあっていずれはなくなってしまうエネルギーと違い、エネルギー源として永続的に利用することができるものと認められるものとして定義されているもので、代表的な再生可能エネルギーとしては太陽光・風力・水力・バイオマスなどがあります。
更地更地とは建物や建築物などがなく、使用収益を制限するような借地権や地役権などがついていない宅地のことです。建物や建築物がなくても、借地権がついているような場合には更地とは言いません。
敷金敷金とは賃貸物件の契約で借主が貸主に対して、家賃の不払い時に対する担保として預けられる金銭のことです。未払い家賃などがなければ賃貸契約の終了の時に返金されます。借主が故意や不注意で物件を壊したりした場合は借主の修繕の負担義務として敷金から修繕費用が差し引かれます。関西を中心に九州や東海地方では敷引という慣行があります。敷引は敷金と違い返却されません。
敷地敷地とは、建築物が立っている土地のことをいいます。建築基準法施行令第1条では「一の建築物又は用途上不可分の関係にある二以上の建築物のある一団の土地をいう。」と定義されています。これは、住居と倉庫など別の建物でも用途としては分けられない建物のことをいいます。他にも住宅が建つ敷地には敷地の衛生と安全面でルールが決められています。
敷地面積敷地面積とは、建物が建っている敷地の広さのことです。これから建物を立てる土地の面積のことも敷地面積です。敷地には傾斜のあるものもあるため、敷地面積は水平投影面積で水平面に投影して測定した面積を言います。
シューズクロークシューズクロークとは玄関の横などに設けられる収納のことで、靴を履いて入れる収納スペースのことです。靴のまま入れる収納スペースということで、玄関と同じ床つながりで、玄関のたたきが繋がっているのが一般的で、靴をたくさん収納する棚やベビーカーなどを収納できるようなスペースなどで使われることが多いようです。
準耐火建築物 
       
準耐火建築物とは、耐火建築物までではないが建物の構造物を定められた構造方法で作り、
開口部は防火対策がとられた建物のことです。
白地白地は「しろち」と読みます。公図の着色がない国有地のことです。宅地や農地、原野、山林などが白地です。
シーリングライトシーリングライトとは、天井に直接取り付ける照明のことです。部屋全体を照らす照明としてよく使われているもので、ぶら下がるタイプの照明よりも天井から広く部屋を照らすことができるので部屋が明るくなり、天井に直接取り付けることで部屋が広く感じるメリットがあります。
接道建築基準法第43条の規定により、建物を建築する際、敷地と道路が繋がっていなければならないという、
接道義務があります。道路に繋がっていればどのような形でもいいということではありません。建築基準法では、
建築基準法で定められた道路に2m以上接していることが必要とされています。
この接道がないと建物を建てることは出来ません。
セットバックセットバックとは、土地に家を建てる時、その土地には接道義務があり、幅員4m以上の道路に
2m以上接していなければいけませんが、昔からあるような古い街並みや、昔の基準で整備された道路などでは
4m未満の道路があります。そのような場合、今住んでいる家を建て替える場合には、
土地を道路より後退させて建てるように行政から言われます。このように後退させることをセットバックといいます。

た行

耐火建築物
       
耐火建築物とは、鉄筋コンクリート造りの建物のことですが、木造の耐火性能が向上しているということで、一定の耐火性能があると認定を受けている場合は木造住宅も可能となります。
耐火構造耐火構造とは建築基準においての壁や柱、屋根その他建築物の主要な構造部分が耐火性能に適合している構造のことです。この耐火性能とは通常の火災が起きてから火災が終わるまでの間、その建物が倒壊したり周りの建物に延焼したりしない性能を持っていることをいいます。鉄筋コンクリート構造やレンガ造りなどの建物は耐火構造となっています。
耐震シェルター地震で家が倒壊した場合に安全を確保できるために、家の一部を地震に耐えれるように耐震補強してシェルターにすることをいいます。家の一部を耐震シェルター化するのは家全体を耐震構造にするよりもコストがかからないのと短期間でで実施できるものですが、夜寝ている時に地震が起こった場合のために、寝室を耐震シェルター化するなどで安全確保をするようなこともできます。
耐震等級耐震等級とは住宅の耐震強度を強度によって順位づけしたもので、住宅性能表示で定められています。この順位は等級1から3までの3段階で表示されていて、等級1は建築基準法が定める深度6強くらいの地震で倒壊崩壊しない強度でこれが最低基準となっています。等級2は最低基準の1.25倍、等級3は1.5倍の強度があることを示しています。
ツーバイフォー工法(2×4工法)ツーバイフォー工法(2×4工法)とはサイズが2インチ×4インチの角材を使って枠と、構造用合板を組み合わせて構成する工法のことです。枠組壁工法とも呼ばれています。このツーバイフォー工法(2×4工法)は北米の伝統的な木造建築の工法で、パネル化した床や壁などの面を組み合わせ6面体を作って躯体を支えるため、日本の梁と柱で支える軸組工法よりも耐震性や断熱性、機密性に優れています。2インチ×6インチの角材を使ったパネルで躯体を構成する工法はツーバイシックス(2×6)といいます。
手付金手付金等とは、不動産物件の売買契約の締結から物件の受け渡しまでに買主から売主に支払うお金のことで、手付金には売買契約が成立した証拠となるものです。手付金は最終的に代金の一部になる金銭で、宅地建物取引業法では、手付金の額についても代金の額の12/2を超える額の手付けの受領することができないと書かれています。
道路道路とは、建築基準法第42条で定義されている道路のことで、以下の種類があります。
・道路法による道路で幅員4m以上の道路
・都市計画法、土地区画整理法などの法律に基づいて作られた幅員4m以上の道路
・建築基準法が施行された時にすでにあった幅員4m以上の道路
・道路法や都市計画法などで事業計画があるまたは変更する幅員4m以上の道路で、
 2年以内に事業が施行される予定として特定行政庁が指定している道路
・道路位置指定を受けたもので、幅員4m以上ある道路
・建築基準法施行時に、すでに建築物が立ち並んでいる幅員4m未満の道路ので、特定行政庁の指定した道路

は行

幅員幅員は、道路の幅の広さのこと。建築基準法では、道路の側溝の外側を道路の境界線として道路幅員を計測します。建築基準法では、土地に家を建てる場合、4m以上の道路幅員に2m以上接していないと家を建てることはできません。
防火
      
家を建てるときに気をつけなければいけない点として、防火があります。市街地での火災の危険を防いで取り除くため(防除と言います)に都市計画により防火地域、準防火地域が決められています。
防火地域・準防火地域防火地域では、耐火建築物とするのが原則となっています。木造は原則禁止です。準防火地域では、階数、延べ面積によって耐火建築物、準耐火建築物とします。木造平屋建物と2階建ては防火構造とします。この防火地域に、3階建て以上の建物や延べ面積が100㎡以上の建物を建てるような場合、耐火建築物にすることが義務となっています。防火地域、準防火地域は、駅前や都市機能が集中している中心市街地や、幹線道路沿いなどの商業地域などが指定されていることが多いです。建物が密集している地域などでは火事の延焼を防ぐためで、幹線道路では火災の時に緊急車両の通行を妨げないようにするためです。準防火地域は防火地域の外側に広がっていて、建物の制限は4階建て以上、または延面積が1500㎡を超える場合は耐火建築物にします。隣地の境界線、道路中心線または同一敷地内の2つ以上の建築物外壁の間の中心線から1階は3m以内、2階は5m以内の距離にある建築物の部分で、防火上有効な公園などに面する部分は除きます。

や行

容積率
      
容積率とは、土地に建築できる家の延べ床面積の割合のことです。
延べ床面積は、家の床面積の合計のことで、1階と2階がある家の場合は、1階と2階の面積の合計が延べ床面積となります。建ぺい率と同じく、外壁や柱の中心線で囲まれた部分で床面積を決めて計算します。
容積率は、建物を何階まで建てられるのかという、立体的に広さを判断するための割合です。
容積率を計算するとき、玄関やバルコニー、ロフトなど延べ床面積に含まれません。
地下室などを算出する場合は、緩和措置で面積を割引くことが出来ます。
土地に建物を建てる時、容積率と建ぺい率は併せて考える必要があります。
土地の面積が100㎡、建ぺい率が50%、容積率が100%の場合、延べ床面積100㎡の家を建てられることになります。
容積率は、延べ床面積を敷地面積で割ることで算出します。
用途地域計画的な市街地を形成するために用途に応じて13地域に分けられたエリアのことで、
それぞれ建てられる建物などの種類や大きさが制限されています。

「第一種低層住居専用地域」
低層住宅のための地域で、建てられる高さが12m(3階建てくらい)に制限されている地域です。
一戸建て以外には低層マンションも建てることができる地域です。建物の種類は一戸建て、マンション、学校、診療所、寺院などが建築可能です。店舗に関しては床面積の合計50㎡以下であれば建設可能です。

「第二種低層住居専用地域」
第一種低層住居専用地域に、コンビニなど小規模な店舗や飲食店などが認められる地域です。

「第一種中高層住居専用地域」
住宅、病院、大学、中規模の店舗や飲食店などが建築可能な地域です。建物の床面積の合計に対して容積率の制限があるので、中高層マンションなどが多くなる地域です。

「第二種中高層住居専用地域」
第一種中高層住居専用地域に、更に中規模のオフィスビルや店舗(1500㎡まで)の店舗が認められる地域です。

「第一種住居地域」
住宅の環境と守るための地域で、住宅以外では、病院や大学以外にも飲食店や店舗、ホテルやオフィスビルなど(3000㎡まで)が建てられます。建物の高さ制限はありません。建物の床面積の合計に対しての容積率の制限は第一種中高層住居専用知己よりも緩和される地域です。

「第二種住居地域」
第一種住居地域に、カラオケ店、パチンコ店、ボーリング場など(床面積10000㎡以下)が認められる、主に住宅環境を守るための地域です。

「準住居地域」
第一種住居地域に、カラオケ店やパチンコ店さらに自動車の関連施設や、小規模な工場など、幹線道路や国道沿いによく指定されることが多い地域です。作業場の床面積が150㎡以下の自動車修理工場などが建てられます。

「田園住居地域」
農業と調和した低層住宅の環境を守るための地域で、低層住居専用地域で建てられるものか、床面積500㎡以内の農業関係の施設、農産物の直売所や倉庫などです。

「近隣商業地域」
近隣の住民が日用品などの買い物をするための地域で、準住居地域より制限が緩和されていて、事務所や店舗、劇場などに床面積の制限はありません。床面積150㎡以下の住宅環境を悪化させる恐れや危険性がない工場なども建てられますが、ナイトクラブや風俗営業店は建てられません。

「商業地域」
近隣商業地域より制限が緩和されている地域です。ナイトクラブや風俗営業店も建てられます。大きな駅の周りによく指定されることが多い地域です。

「準工業地域」
危険性が高い、住環境悪化が大きい工場と風俗営業店以外のほとんどの工場を建てられます。工場以外でも住宅や病院、教育施設、ホテルなども建てることができます。

「工業地域」
どんな工場でも建てることができる地域で住宅や店舗も建てられます。教育施設や病院、ホテルなどは建てられません。

「工業専用地域」
工場のための専用地域です。どんな工場でも建てることができます。住宅は建てることはできません。
の地域に分けられています。